認知症のおばあちゃん。

3階に異動になってから2年目だが、
認知症を呈している患者様がここ最近特に増えてきているように感じている。



実際、現在私が受け持っている患者様も認知症を呈している方がほとんどである。


程度も軽度〜重度、症状こそほんと様々である。





実際、
こちらからの指示が通らないと細かいアプローチが難しくなる。
そのことから効率良いリハビリも困難となり、回復スピードにも影響してくる。


回復期病棟は入院期間がある程度決まってしまっているので、
回復の遅延、家族の理解、家族内での介護者の有無、などにより 在宅復帰にももちろん影響してくる。


患者様自身も意欲が全くない方、頑なにリハビリや日常生活上での動作等を拒否される方も多い。





当院は高齢の患者様が大変多いので、
自ずと認知症を呈している方も多いのはごく自然なことであると 自分では思っている。




先日、とある患者様が100歳の誕生日を迎えられた。
実はこの前まで私がリハビリを担当していた方である。


リハビリの拒否が強く、1日中ベッド上で過ごしていることがほとんどであった。

食事の摂取量も極端に少ない方だった。

私はなるべく廃用が進まないよう 文句を言われながらもベッド上で下肢を動かすだけが精一杯だった。





栄養士Mさんやかっちゃんのブログにもあったが、
栄養補助食品は嫌がってほとんど摂取しなかったのに、
おそらく本人様が好きであろうクリームパンなどであれば、むしゃむしゃ食べてくれる。






よく高齢の患者様に言われる。

「もう歳だから」
「こんな年寄りに何をさせるんだ」
「もう90やし、歩けなくてもいい」



そんな患者様に対し、私は
「歩けるようにならないと家帰れんよ」
「○○さんのためにリハビリしているんだよ」
「皆ヒドイことを乗り越えて良くなっていくんだよ」

…などつらつらと述べていた。






…果たして本当にそうなんだろうか。。。






その患者様が本当に願っていること
「HOPE」に対し、私は何をしてあげられていたか。





ただ歩かせるだけ、ただ下肢を動かすだけ、
もしかしたら、ただ家に帰るためだけが
最適なリハビリではないのかもしれない。

そもそも、リハビリ自体がその方にとっては必要のないものなのかもしれない。



拒否する方を無理やりにでも立たせたり歩かせるのは 本当に心が引き裂かれる思いになる。
(もちろん目的を持ってリハビリを施行しているが)


そんなことよりも、
レクリエーションや他患者様や職員と触れ合う中で穏やかに過ごしたり
また、作業療法による作業的な活動を通した方が、
精神安定化やQOLに繋がり、患者様のためになるだろうなと思うことも多々ある。





リハビリ拒否する100歳近いおばあちゃんに、
「歩く練習もしなきゃだめだよ」「足動かさないと固まっちゃうよ」と言っていた私。


もっと違う形、視点から関われることはできなかっただろうか。


そしたらあの患者様は
私をもう少し受け入れてくれていたのではないのか。





でも、自分は職業上、身体機能改善を促していくことが仕事である。
(もちろんそれだけではないのは知ってるが)

病院経営、結果重視の診療報酬、単位数、在宅復帰率、家族の事情…
色々事情はあるから、なかなか難しいことではある。








話が転々としてしまったが、


今日も患者様のリハビリを行い、
「自分は認知症の患者様に、理学療法士としてどう関わっていけるだろうか」
と自分の中で模索し続けながら過ごしている。




  PTぁゃゃ