『1』

<OT もやし>

8月がもう終わろうとしている。あっという間に夏が終わっていったような気がする。

月末になると書類やデータ整理の仕事が増えてくる。計画書・レセプト、統計処理が正確に簡単にできるようにExcel・数式・マクロなど。机に座って仕事していると身体やこころが冷たくこわばってくるような感じがする。

情報管理は診療報酬に結びついたり、現状の分析・今後の対策を検討するために大切な仕事となる。十分に分かってはいるが昔から苦手な作業なもので好きにはなれない。

こんな月末が近づくにつれ、いつも以上に患者さんとお話がしたくなってくる。

肩の痛みがとれたと喜びの話、自分の娘が結婚すると嬉しい話、家族の生活が気になると心配な話、しびれがひどくなってきたと苦しい話など、さまざまな物語が患者さんの口から語られる。時には優しく時には厳しい患者さんからの生の声はパソコンに表示される文字とは違ってあたたかい。

データの上では『1』としか表示されない一人ひとりの患者さんとの関わりが、月末にこわばった私の身体とこころをほぐしてくれるような気がする。