■
結婚式の準備の1つに、プロフィールシートの記入、というものがあります(多分)。
生年月日や出身地、家族構成、幼少期から現在までの印象的なエピソード等々。
これを読めば、新郎新婦のことを(表面上)知ることが出来ますよ〜^^
という代物です。
これと併せて招待客リストも式場へ提出しないといけなかったので、招待する親族の
住所や名前を母に書いてもらうため、私は奥さんと2人で母の所に向かいました。
そして、母にリストの記入をお願いし、私は奥さんとプロフィールシートを
記入していきました。
自分で自分のことについて書くだけなので、意外とスラスラいけちゃいました。
そう……
項目の中に【ご両親にお聞きします。幼少の頃の新郎様の印象は?】という、
恐ろしい項目を発見するまでは!!Σ(゚Д゚)ドギャギャーン
私が内心の動揺を隠してチラリと母の方を盗み見ると、しめしめ、
母は手帳と睨めっこしていて、こちらの作業のことは目に入っていない様子。
ここはこっそりと持ち帰って捏造を……
などと考えていた私の隣に座る奥さんから、一瞬だけ漏れた微かな殺気を、
私が察知した次の瞬間――
私の手の中にあったプロフィールシートは、すでに奥さんの手中に!
無謀だと知りつつも奪還を試みた私の手を、無情にもすり抜けたそれは、
「おかあさ〜ん♪」
他所行きの奥さんの声と共に、母の手元へ届けられました。
そうして幕が開ける、母による、息子が闇に葬りたいと願う事柄の暴露大会。
幼少期からの私の数々の失敗談を、武勇伝を語るかのように上機嫌で饒舌に語る母。
それを『ニヤニヤ』という擬音が似合う笑顔で私の方をチラ見しながら、
母の語りに絶妙な相槌を打って、さらに聞き出そうとする奥さん。
常日頃は見習いたいと思っている、奥さんの相手の話を引き出し広げる技巧が、
これほどまでに疎ましく思えるとは……。